弓道の特性です
道具を使う武道の代表は弓道と剣道でしょうか。空手、柔道、合気道、色々な拳法は身が武器です。使われる道具としては、弓、竹刀、槍、薙刀(薙刀はどういう呼び方の武道か解りません)が浮かびます。スポーツなら球、ラケット、バット、クラブと色々有るでしょう。道具を使う色々な動作は自分の力を道具に伝える方向がほとんどで道具が元々持つに動く力はありません。もうお分かりでしょうが弓は弓自体に力を持っています。弓は反動力なので引かなきゃ力が無いという事もなく、弦を張った時点で裏反り分の力が発生しています。火薬で球を飛ばす銃などは似ているかもしれませんね。
この面から弓道の身体の使い方は間接的で補助的とも言えます。この解釈は流派それぞれだと思われますが、どちらにしても弓力が矢を飛ばすので身体の力ではありません。弓の力を身体で受けて無駄なく矢に伝えると考えると間接的と捉えられます。極端な話しをすると、身体が弓力をきちんと受けていなくても矢は飛びます。三位一体の考え方はこの辺りが元となるでしょう。いわゆるパチンコ式と考えても矢は飛んで行きます。パチンコ式と言えば反発を食らいますが、ゴムを引っ張って的と球を結んだ線を元に照準はなくても感覚的に当てると思えばアーチェリーと弓道のどちらの要素も兼ねています。したがって、右手で弦を引き左手で的を狙えば結果的にパチンコ式と言えます。未経験者に弓を引いてもらえばほとんどそうなるでしょう。始めたときのパチンコ式を弓道として変えていくのに必要な事は経験者なら色々思い付けるでしょう。
弓道が特徴的な部分は、弓が元々力を持っている事を理解して修練するという事です。考え方の方向性はこうした所から徐々に決まります。弓を操作すると当て射と言えます。的中だけを望むならアーチェリーに分が有ります。相手にダメージを与えるなら銃が適当です。もちろん弓は元々武器です。的中を求めないならやはり弓道ではありません。
「射即人生」と絡めれば、「何処で何の仕事をするか」よりも「どう働くか」が大切です。今更ながらどう引くかを考えてみたらどうでしょうか?結果的にそれが安定した的中につながります。たぶんですが・・・