mypace-mywayのブログ

未熟なりに弓道を考えて、わかりにくい事を単純にし、自分の頭の中を整理した道筋を残しながら、迷った時に戻って来る拠り所の場所を作ってみたい。「あの頃はあんな事を考えていたのか?」

「押手の肩を入れる」について

 良く耳にする「今のは押手の肩が負けている」という指摘・・・・・この言葉について考えてみる。
 似たような指摘に「今のは離れで押手が負けている」。この二つの言葉に聞き覚えは無いでしょうか?私は結構な頻度で耳にしています。一般と一緒に中学生や高校生も出場している試合や、学生さんと一緒の練習が有った時は特に多い様に思えます。最初の「押手が負けている、しっかり入れなきゃ」と引き分けや会、特に大三で指摘されている場面が多く見受けられるかもしれません。すると、力んで離れで弛む・・・。次の矢は尚の事一生懸命に頑張って引き、残身で力が抜けている。
 いったい押手の肩を入れるってどうすんの?と思いません?「手先でひくな!力むな!押手の肩をもっと頑張れ!勝手の肘を張らなきゃ!大きく引いて!胸を楽に、丹田を意識して!身体は真っ直ぐ!縦線!押手を伸ばして!」もはやこれまでです(?_?)。「大三は楽に肩を開いて、押手の肩はしっかりと入れて、勝手の肘は充分に張って、胸弦付いたら詰め合って、横に伸びて、押手から、押手から・・・」完全に息は詰まってます(>_<)。間近で聞いていると、こっちまで息をのんでしまいそうです。乱暴な言い方ですが、押手が負けている=勝手引き。押手の肩を入れる≠肩を上げる。離れで押手が負けている=余分な押手の力味。等とも捉える事が出来るでしょう。
 本題の「押手の肩を入れる」についてですが、まずは引き手の段階に応じての言葉があると思います。初心者や中学生などの身体がまだ未熟な場合は、力んでも良いのでしっかり引いて思いっきり離すで良いと思っています。が、ここではある程度経験も有り、そこそこに引ける段階に有るとして進めてみます。
 キーワードはやはり「上肩と下肩」「鎖骨と肩甲骨」「両肩」辺りでしょうか・・・。以前にも記したと思いますが、肩甲骨は拳上が得意です。腕を上げる動作ですね。なので、例えば大三で「目付節」辺りを押すと意識すれば、当然肩甲骨は浮き上がります。おまけに鎖骨(胸鎖関節)は上下の自由度が低く、前に出やすい部分です。執り弓の姿勢などで肘を張れと言われると、始めは殆どの人がグッと鎖骨を前に出して、両肩が前に出っ張った姿勢に成り易いですが、あれこそ自然な鎖骨の動きです。肩甲骨は鎖骨にぶら下がっている様な状態なので、当然上側を前面に引っ張られて下が浮いた状態になります。従って、「肩を入れる」という動作は、身体の仕組みの通り、自然に任せると肩甲骨が肋骨に沿って浮き、鎖骨が前に行きやすくなってしまう・・・そのうえ上方に肩甲骨が浮き上がると胸鎖関節に無理が掛かってしまうのです。実はそういう引き方も有るので、否定はしませんが、両肩とも同じようにしないと左右の均等は崩れるでしょう。が、強弓を引くような引き方は置いておいて、普通に基本の通りで進めると、「肩を入れる」は「鎖骨の浮き上がり(特に肩側の先端)を抑えたまま、肩甲骨を真っ直ぐに立てたまま、身体の左右に拡げる方向を意識する」と言い換えるとどうでしょうか?弓道をしている人の姿勢が良いのはこのおかげでしょう。大三への移行も、親指の付け根を手首を使って入れながら、肩よりも肘に意識を置き過ぎると、左肩が浮き上がるのは自然の成り行きですね。左肩は見えているという細工のし易さも有って、右肩と不均衡にならないためにも、鎖骨の先端=上肩はしっかり抑える意識を持ちたいですね。


 

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