手の内再び
俗に言う「グリップ」に関連して手の内を始めから考えていきます。
多くの道具を使うスポーツでは基本として持ち方や構え方から始めます。野球のバット、テニスやバトミントン卓球などのラケット、剣道の竹刀、ゴルフクラなどを思い浮かべて下さい。ある程度弓道を追求している引き手なら、握るや持つという表現に抵抗が有るかもしれませんね。しかし弓もきちんと持つ事は大切です。弓も手の内が当たる部分の呼び名は握りで問題無いでしょう。きちんと持つ事はいずれ弓返りや弦音や矢所の安定などに関係していくでしょう。
ゆくゆくは手先で引かない、力で引かない、手の内は力まないという段階へと進むべきでしょうが、勿論直ぐには出来ません。力んでも勝手に負けない様にしっかり持って矢束一杯に引く事を心掛けます。引く力に見合った手の内は何の問題はありません。問題を挙げるとすれば、何処を力んで何処を力まないか?という事の方です。心配せずとも腕は一般的に皆さんが引く弓力程度は簡単に支えてくれるでしょう。寧ろきちんと引けていないのに力みは取れません。相対的に筋肉で支えている間は無理な相談です。骨格や手先よりも大きな力を持つ筋肉の使い方がわかるには多くの矢数に基づいた経験が要るからです。ハ節の図を参考にどう弓を支えるのか理解を深めてから先に進んでいきましょう。安易に力を抜かない様に考えて下さい。