mypace-mywayのブログ

未熟なりに弓道を考えて、わかりにくい事を単純にし、自分の頭の中を整理した道筋を残しながら、迷った時に戻って来る拠り所の場所を作ってみたい。「あの頃はあんな事を考えていたのか?」

手の内は角度で内圧の当たりを付ける

弦を引かずに弦が腕に対して90度になる様に弓を持ちます。

一応自分の思う手の内を造って軽く握ったまま右手で弦を左腕に付ける様に手前に回します。無理に腕に付くまで回さないで、抵抗が強くなって手の平の皮が適度な内圧が掛かったら弦を離します。当然の様に90度に弦が戻る感じに握るまたは挟む力加減を調整してください。徐々に弓と手首の当てる角度を変えて、腕と90度の角度から弦を手前に、鋭角に少しづつ近くなる様にして同じ様に弦を動かして弦が戻る感触を確かめてみましょう。最終的には腕と弦の角度が腕から一拳(ひとこぶし=10㌢)程度にします。この感じが腕から手の内を真っ直ぐにした時の大三での角度に近くなるでしょう。この状態で弦を腕側に抑えて弾くと親指の付け根に弓の右角が近くなったり戻ったりと繰り返す内圧の感覚を感じ取れればというのが意図する事となります。自ら親指の付け根で弓を押す事をしなくても弦はひとこぶしの位置に戻る様に動きます。親指の付け根に皮がよじれて弦を離せば元に戻る、これが弓返りの元々の感じと考えても差し支え無いでしょう。手の内に力を入れなくても弓は元に戻ろうと腕から離れる方向に動きます。

そこから更に弦をひとこぶしよりも腕に近い位置まで持つ様にする程弦の戻りは鈍くなり弓返りの準備が弱くなります。標準的に考えると、正面打ち起こしの大三からまたは斜面の打ち起こしからこのひとこぶしを守って引けると、腕や顔も払う事なく残身(心)に行けるでしょう。始めのうちは、手の内を力んでも、このひとこぶしの握りが会に入っても保てていれば良く、素直に残身(心)に行けます。

引き始めて経験が浅い時は尚更に腕を払ったり顔や髪を払ったりすると、精神的にストレスを感じて悪い癖がついてしまう事は多いと思っています。

時にはひとこぶしの握りのまま矢尺に引いて(カケは付けずに肩入れする位の感じで)手の内を弛めずに戻し弦が同じ位置に戻れるか?を試してみると、引き分けで手の内を入れ過ぎてないかの基準にもなるでしょう。離れでも手の内の力加減が解らずに、残身(心)で弦がひとこぶしの位置にそのまま戻ったとしても矢を真っ直ぐに飛ばせて的中は取れます。

親指の付け根で弓を回そうと引き分けで手の内を入れる様に動かしてしまうと、90度に近い方の内圧が掛かるか、逆に入り過ぎて内圧が足りなくなるかの両方のリスクを抱える事にもなりかねません。私が今目指しているのがひとこぶし位の内圧の感覚です。

何故手の内に豆を作るかというとこの内圧が深く関わります。打ち起こしから大三に行く時に、小指を早くから絡ませたり、中指を早くから絡ませたり、薬指が効きすぎたりすると、それぞれの指に豆が出来やすくなります。豆ができる位置は、使い過ぎている指を見分ける基準にもなるでしょう。

それに天文筋側の豆は弓返りする時にどこが擦れているかの目安にもなリます。内圧が高くなり過ぎると早気の原因になるかもしれないし、内圧が少ないと腕などを払う原因にもなるかもしれません。カケを付けないで肩入れをして腕と弦の角度を変えてみて、そのまま戻して自分の今の手の内の内圧に近い物を探ってみるのも一つの手段です。

ただし、手の内の内圧は流動的に考えて固定しない方が良いのかもしれませんね。湿気や汗で握り皮が滑りやすい時も有るだろうし、逆に乾燥し過ぎていても微妙に感覚が変わるだろうし、その日その日とまでは言えませんが、或る程度柔軟に考えても良いのかもしれません。

押手の手の内は引き方に依って変化していくべき物です。引き分けの見当が付く前に手の内を先に決めてしまわないで少しゆとりを持って考えましょう。射は全体の流れが大切です。

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