mypace-mywayのブログ

未熟なりに弓道を考えて、わかりにくい事を単純にし、自分の頭の中を整理した道筋を残しながら、迷った時に戻って来る拠り所の場所を作ってみたい。「あの頃はあんな事を考えていたのか?」

簡単に考える弓道射法八節引き分け

正面打ち起こしで大三を設ける引き分けでも大三を設けない引き分けでも、軌道は同じに認識しています。

打ち起こしは難解ですが、弓を引く人の多くは引き分けの方を悩む場合が多いかもしれません。打ち起こしがうまく行けば流れは決まると思っていますが、弓力が増してくるので弓とのバランスは引き分けの方が取りにくくなるでしょう。打ち起こしが四十五度に腕を上げ、大三に行くまでにもう五度腕を立てるとゼロポジションの高さになりますが、一応は打ち起こしの肘の位置でも問題無いと考えています。もし五度足すなら打ち起こしを高くしておくのも一つの選択です。

大三では目付け節を押手は押し、本弭を勝手の肘で引くと射法八節の図にありますが、押手は的に押し、勝手は矢筋に引いている場合が多いと感じています。手の内を水平に折った場合は目付け節を押すと手首に負担が掛かります。目付け節に真っ直ぐ押せば左肩が上がる事とベタ押しにならない工夫が必要になります。初心者の多くは手の内を的に押して入れ過ぎると腕や髪を払いやすくなるかもしれません。かと言って目付け節方向に手の内を向けたまま引けば、内圧が上がり過ぎて握ってしまう危険もあります。そういう理由から手の内は時間を掛けて良く練習する必要があるのでしょう。勝手は尺骨の張りをもたせたまま引き分けに入ると手首は問題無く橈屈出来るのですが、弽の帽子を手の内と同じ様に的に向けようと手首を使えば、始めのうちは筈こぼれを起こしやすくなるでしょう。手首が動く方向で一番動きが小さいのが橈屈です。皆さんご存知と思いますが、手首を親指側に曲げるのが橈屈、小指側が尺屈です。尺屈は弦を親指で留めるように動くので力を入れやすく、初心者によく見られます。手首は手の甲に反らす曲げ方と手の平に側に曲げるこの二方はよく曲がる様に関節が出来ています。手の平側に曲げるのを手繰ると私は表現しています。曲がりにくいという骨格の仕組みを利用して橈屈させると、手首の力を弦に任せても曲がり過ぎず角度は決まり、控え付きの弽の場合は橈骨に控えがきちんと付くでしょう。そのまま腕を開けば、肘の落ない離れも出ます。竹林派射法に「剛無理」という言葉が出てくる事を以前紹介しましたが、その意味は「勝手は理屈抜きに強くしろ」となっています。押手中心とも思っていた斜面にこんな言葉が有るのか?と不思議に思います。

引き分けに向かう手順を私なりにまとめると、経験の浅い人ほど押手は弓を押し勝手は肘を上に突いて大三に向かう。正面打ち起こしの場合引き分けは矢を上から下に四十五度の肘の角度からそのまま両手を開く。大三の位置に行く時に手の内は考えない。手の内を考えるよりも、勝手の肘から上を簡単に曲げさせない工夫をする。弽の親指を的に向けようと意図的に手首を動かすと橈屈が崩れて先々で色んな弊害を生んでしまう。力みを取るよりも弦に対抗させる強さを勝手に持たせれば大三を通過する時にどちらの肩も上がらずに素直に会へ最短距離を守って引いて行ける。私達の多くは大三を形から習う機会が多いので、自ら大三の形を作ってしまうが、引き分けをよく習得するためには、常に弓力を感じて弓力との折り合いをつけながら弓を引き分ける努力が必要です。引き分けながら手の内を修正したり、引き分けながら離れを考えていたりする事が雑念との認識を深めたいですね。

裏的側から勝手を見ると、手首と肩を結んだ線上を肘が移動していくのが射法八節の弦道です。

最近は打ち起こしから矢を大三で身体に寄せてから下に引く人が目立つ印象を持っています。横引き、縦引きの区別は射法八節にはありません。打ち起こしから横引きで大三から縦引きという軌道修正は不要です。打ち起こしから大三、会への引き分けは手首と肩を結んだ線上にいつも肘がある様に引き分けを考えてみましょう。大三での肘の位置を打ち起こしで決めて、手首と肘の向いた方向(尺骨の向き)に合わせて引き分けるのが最短で無駄や無理のない引き分けと考えて、それから始めましょう。大三を設けない引き分けと同様に、大三で力を止めずに骨格を正し縦線を確認するだけで、大三で肩を降ろしたりしない様に引き分けると良いでしょう。打ち起こしては息を抜き肩を降ろす、大三を取っては息を抜き肩を降ろす、これは息に合わせて引く事とは大きく違います。肩は上げない工夫をする物で、上げたり降ろしたりと動かす物ではありません。例え現状で肩が上がってしまっていたら、その射はそのまま会に入り、詰合いで最低限の修正を考えるか、または次の射、次の射と上がらない工夫を考える様に出来ると良いですね。

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