弓道の射法八節について
手の内と取懸けを枝葉として載せてきました。また枝葉について進めますが、今回は概念的な事に触れてみますので興味無い方は飛ばして下さい。
射法八節は連動動作なので、例えば手の内だけを細かく考えても難しいと思います。これは必ず踏まえて欲しいです。
以前挙げましたが、足首が固まると肩も固まります。それも左右対称に呼応します。つまり、身体の仕組みに沿った引き方が最終的に求める物です。射が斜面から始まり正面打ち起こしが生まれた動機も身体の使い方に無理が無い事が要因の一つと考えています。
弓道は修練しますが、精神的にも肉体的にも辛い事ではありません。どちらかでも辛いと感じるなら、一度練習の仕方や弓に対する考え方を変えて下さい。弓を正しく引いていれば身体を痛める事は無いでしょう。むしろ背筋は伸び肩甲骨も良く動くと思います。
基本的に力んだまま動かす事が故障する始まりです。弓道に必要な筋力は弓を引く事で養われます。始めは力みますが、本来の身体の使い方を利用出来る様に勉強していると思って下さい。
精神的には誰しも波ができます。むしゃくしゃする時、イライラする時は実技はしないで引かずに出来る練習を探して下さい。ストレス解消する為に弓を引く事はお勧めしません。
穏やかな気持ちでのびのびと弓は引くものだと考えています。
あれが出来んこれが出来んと焦ってがちがち練習しても、成果は上がりにくいと思っています。直ぐに出来ない事は時間を掛けましょう。進歩の度合いは人それぞれで変わります。すんなり出来た事は忘れてしまうのも早く、意識からは遠ざかってしまうでしょう。そうなれば以前出来た事も出来なくなると思います。
「段階は確実に物にする」これが一番厄介です。昨日まで或いはさっきまで調子良かったのになんで?みたいな状況になることは珍しくは無いでしょう。逆に言うとそれは人間が社会性豊かな証拠であり、様々な状況の中で暮らしていて気を使う場面が多いという事です。思う以上に精神面は影響します。
雑念が何か?もまた人に依って捉え方も様々ですが、マイナス思考だけでは無くて今日は調子が良いと思う事自体もまた雑念です。
一度は弓を持つ前の心の持ちように意識を高めて欲しいと思います。