mypace-mywayのブログ

未熟なりに弓道を考えて、わかりにくい事を単純にし、自分の頭の中を整理した道筋を残しながら、迷った時に戻って来る拠り所の場所を作ってみたい。「あの頃はあんな事を考えていたのか?」

手の内中心に練習する事

いつもの通りに前提を先に挙げたいと思います。手の内は細部の技術ですが、重要な事に変わりはありません。練習課題としての引き分け技術と手の内の比重の割合はそれぞれに考えて下さい。私個人では同時進行が基準ですが、それは社会人になって再開してからの考えで、学生時代には手の内だけを1〜2か月集中して練習した事も有ります。その頃の是非は自分でも二分されます。学生時代が有るから今の引き方が出来ると考えるか、色々な部分が力んで射癖を手にしたかの二つです。今回は一般的な正射必中からは外れても、学生時代が役に立った部分に限って挙げます。

爪揃えは最初から意識した方が良いと思います。普通に持つと薬指が思った以上に活躍するからです。私は指が短い割に手の平が大きいので、親指の付け根と中指の先は指一本空けます。たぶん、指が短い人は空けたほうが良いでしょう。私は猿腕なので手首を水平にしたときの手首を腕から見れば小指方向に折れている状態だと思います。しかし、これは弓の姿勢が優先です。猿腕の人が中押しに拘ると弓の反動力が向く方向からはベタ押し気味になります。かと言って、弓と直角に拘りすぎても上手くいきません。和弓が下から三分の一を握り、下が強い特性から手の内は考えると良いでしょう。会での手の内の形よりも離れや残身での弓の動きが優先です。離れでの弓の不安定さは即的中に影響するからです。それでも爪揃えはお勧めします。弓返りを考えた時に的側の弓と指の隙間は必要だと考えています。自分から見て確認は出来ないので爪揃えが出来ていれば指の長さの差で隙間ができます。例え力んでいても綺麗に見えやすいからも理由です。弓返りが安定するなら、角見への意識だけでも良いですが、弓返りの回転軸が安定しない間は「手の内は手首から先全部で一つ」と考えた方が無難です。末弭と本弭が綺麗に真っ直ぐ出る離れなら、弓返りはしなくても的中を取りながら修整していけます。

弓を持つ強さは柔らかくが最善なのは勿論ですが、比較の為に試して欲しい事を挙げます。矢筒やペットボトルなど直径のある物を持つ時の人差し指から小指までの手の甲(手の平でも)の状態を上から見ます。次に卵などの包み込める位の持つ時の差です。卵中などと例えられる手の内は強さだけでなく、小指の付け根の位置にも違いが見えます。つまり虎口を上から見た時に小指の付け根が見える様に弓の握りに当てるという事です。卵の殻は案外固いので指先の力を手の平側に向けないと割れにくいです。単に軽く柔らかくというだけでなく、軽く握った状態で手の形がどうなるか?を見取って下さい。両手の平を合わせて、中に蝶を包み込んだ感じとも言えるでしょう。頭で軽くと考えるだけでなく、実際に卵を持って感覚を得て下さい。実体験よりも強い印象はありません。初心者に手を添えて弦を取ってあげる様に、良いと思われる引き方を体験させてあげるのと同じ意味が有るでしょう。兎角、経験が積まれて来ると頭で想像するだけで済ませている事も増えていませんか?例えば肩に響かない打ち起こしや円相など、三重十文字や丹田への息の降ろし方、頭で感じる感覚と実際の状態に差が有ることは決して珍しくないでしょう。

手の内はどれほど失敗しようが無駄になることはありません。自分の感覚が実像と違うと気づくだけでも進歩していけるでしょう。

人差し指は伸ばしても曲げても良いとなっていますが、力まない状態が良いに越したことはありません。自分の頭で描く手の内と実際の手の内を良く観察してみましょう。

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